将来、子どもに自慢していると思います。

まずは製造部、浅利さんに「仕事について」「雰囲気について」の2点をお伺いしました。「私の仕事はものづくりです。と言うと簡単ですが、製品の説明が難しい(笑)。電柱に付随する製品や作業者の工具などを製作しています。例えば、電柱の上に鳥が止まることを防ぐ円錐型の樹脂性帽子や、電線を覆うカバーを安全に剥ぎ取るための工具など。重要なポイントは、使う人が安全に作業できる工具であることと、電気が問題なく地域の方々に送られることです」。言葉ではなかなか説明が難しいようですが、町を歩くと確かにその製品が使われているのを目にするそうです。

最近お子様が生まれたことで、仕事に対する意気込みにも変化があったんだとか。「目立たないながらも無くてはならない仕事です。自分が手掛けた製品によって、今日も安心して生活できる人たちがいると想像すると、よし、やるぞ!という気持ちになります。将来子どもと一緒に町を歩きながら、あの電柱に付いているアレ、お父さんが作ったんだぞって言ってしまうと思います」とお子様の話も素敵な笑顔で話してくださいました。

イメージと違う、だからこそ続けられました。

新館工業 浅利さん

作業現場については、「入社前は製造業に対して怖い印象がありました。体育会系で、毎日怒鳴られるのでは…と。実際入社してみるとそんなことは一切なく、とても穏やかで優しい先輩方ばかりで驚きました。経歴も年齢も上の方々ばかりですが、いつも同じ目線で丁寧に教えてくださいます」と話してくださる浅利さんの雰囲気そのままに、穏やかなムードが流れているようです。

「これまで続けてこられた一番の理由は、この雰囲気が自分の肌に合っていたからだと思います。また、冷暖房完備など作業環境も充実しているし、残業がほとんどないところも理由の一つです。早く帰って子どもに会いたいですし(笑)」。社員の働きやすさを第一とした体制が整っていることがよく分かりました。

新幹工業 田川社長

ものづくりと仲間が好き、その先に今があります。

「前任の勇退とジャパンクリエイトグループの傘下に入るタイミングで声をかけられました。まさか自分が社長になるなんて、今でも実感が湧いていません」と笑顔で話す田川社長。社長就任からまだ数ヶ月。顧客やグループへの挨拶まわりなど多忙な日々を過ごしていらっしゃいます。また営業としても第一線でご活躍されている田川社長の勤続は25年目だそうです。

歯科技工士や宅建資格取得、鋳物をつくる現場作業など実に多様な経歴がありながら、新幹工業での営業が一番長く、そして最後の仕事になるとのことでした。「根本的にものづくりが好きだったんだと思います。問合せに対して、まずは自分で作ってみて、提案して、それを喜んでもらえると嬉しかったですし、何より形になるところが面白かったですね。もちろん苦労もあります。待っていても仕事は来ませんから。競合も少なくないので、いかに信頼関係を築くかが大切です」と話されるとおり、安定成長の裏には絶え間ない営業努力がありました。

「とは言っても、専門的なところは仲間に任せています。プロとして一番の仕事をするという気持ちで業務に没頭する仲間がいるから、思い切った営業ができますし、何より彼らを信頼しています。社長になる決心がついたのも、彼らが一緒にいてくれる、何も変わらない、と思えたからです。当社も私自身もベースは何も変っていません」と穏やかな口調ながらもはっきりとお客様と仲間への信頼を語ってくださいました。

「新幹工業だからできる!」そんな仕事をしていきたいです。

新幹工業 田川社長

今後の展望についてお伺いしました。「災害大国・日本において、電力は必要不可欠なライフラインです。私たちは電力の安定供給を図るための高品質な製品を引き続き製造していきます。この点において、私たちの仕事がすぐに無くなるということは考えられません。しかし、移り変わる時代のなかで、新たなライフラインも生まれ続けています。また、電力自由化によるコスト削減など、厳しい時代に突入したとも言えます。そんなタイミングでグループの傘下に入ることになったので、新しい意見や情報、ノウハウをどんどん取り入れていこうと思っています。ピンチではなく、チャンスだったんだと、後から笑えるようにしたいですね。そのためにも、製造部門は製品の安全性と品質を高めること、設計部門は開発スピードとアイデアに工夫、そして新規開拓を視野に入れた営業活動。3部門で力を合わせて、成長していきたいです」と未来に続く新幹工業について話してくださいました。

新幹工業 作業風景

今回お話しをお伺いした浅利さん、田川社長の穏やかな雰囲気がそのまま新幹工業のカラーだと感じました。それだけでなく、生活や仲間を守る責任感や意志の強さがお話しの端々から伝わってきました。創業50年以上の実績と信頼をベースに今後の展開に期待が膨らみます。