「生きていてよかった」に涙が止まりませんでした。
梅田オフィス立ち上げ時から入社され、今は全体を取り仕切る八木マネージャーにもお話をお伺いしました。難しい仕事のように思いますが、これまで続けてこられた理由やきっかけはあるのでしょうか。
「とても印象深い利用者の方がいらっしゃいます。コミュニケーションや読み書きなど多様な障害をお持ちの方でしたが、ひとつひとつ障害と向き合い、私も一緒に理解を深めていきました。出来ないことや難しいことへの工夫や挑戦を積み重ね、最終的に一般企業へ就職することができたんです。そのとき、『わたし生きていてよかったんですね、ありがとう』と言ってくださいました。幼い頃から読み書きなどでも苦しい思いをされてきた方だったので、理解してくれる人に出会えたことがとても嬉しく、二人で号泣した思い出があります。長い人生のなか、ディーキャリアで過ごす時間はほんの一瞬でしかありません。でも誰かの人生に少しでも関われることがこんなにも嬉しいことだと教えてくれたのは利用者さんでした」と胸があつくなるお話しを聞かせてくださいました。
「誰かを助けたい、救いたいなんて大それたことは考えていません。シンプルに新しい出会いが楽しいんです。そしてこの出会いが数年後に“よかった”とお互いに思えるものにしたい、本当にそれだけですね」と嬉しそうに話す八木マネージャーの人柄が利用者さんの支えになっているのだと感じました。
スタッフの働きやすさを考えるのも私の役割です。
社内外問わず信頼が厚い八木マネージャーですが、スタッフの皆さんや梅田オフィスについては「優しいスタッフが揃っています。私はマネージャーらしいことは何もしていません(笑)。ただ、常に人と向き合わなければならない仕事なので、スタッフの支援は私がやる、という思いで全体を注意深く見るようにしています。たまには当オフィスがある第2ビルの地下で一緒に息抜きをすることもあります。意見が通りにくい、言いづらい雰囲気だけは避けたいと思っています」というお言葉どおり、インタビュー中もスタッフ同士が積極的に意見を交わされていました。ときに同じ目線で、ときにマネージャーとしてバランスを取りながらリーダーシップを発揮されていらっしゃるようです。
今後の展開については、2019年に難波センターをオープンすることが決まり、より一層多忙になるようですが「本当にワクワクしてるんです。楽しみでしょうがないんです」と目を輝かせる八木マネージャー。
「とは言っても課題は山のようにあります。発達障害に対する企業への理解度の低さや偏見への対策も同時進行で行わなければなりません。そのためにも一人でも多くの方々に就職できるよう支援し、社会全体の理解度を深めていきたいです」と、新センターがオープンを控えても、八木マネージャーの芯は決してぶれることはありません。2年先、そして10年先もそのあたたかい心で発達障害の方々が自由に就職できる世の中を作ってもらいたい、そんな願いを託すにふさわしい会社でした。