営業所所長から、翻訳センターパイオニアの社長に。

尾﨑事業部長は、元々はジャパンクリエイトの営業所所長として活躍されていました。グループの会社である、翻訳センターパイオニアの社長に就任したのは4年前。

「人事異動で話があったのは、なんとM&Aでグループに入った会社の社長。俄然、チャレンジスピリッツが湧いてきました。長い間所長として仕事をしていたのでそろそろポストを後輩に譲り、組織の人材をもっと育てていかなければならないと思っていたところでした。通訳や翻訳のことは全く分からず不安もありましたが、社長という経験はなかなかできるものではないし、“なるようになる”という前向きな気持ちで異動のお話をお受けしました」。

他社では味わえない経験ができた4年間でした。

転籍後は、業績向上という大きな課題があったそうですが、社員との関係づくりにも奮闘されたそうです。「自分が当たり前だと思っていることがここでは当たり前ではない」と痛感し、「なんとかできるのか?」そんな考えもよぎるほどでした。

「ジャパンクリエイトでは、社員はクレドを理解し、一丸となって仕事をすることが当たり前でした。しかし当時、翻訳センターパイオニアには企業理念はあるもののクレドはなく、会社としての一体感がありませんでした。なんとかして気持ちをまとめたい。そこで、社員参加型でクレドを作ることに。仕事をする上で大切だと思うキーワードを出してもらい、全員で納得するまで話し合いました…多分10時間以上ミーティングしたんじゃないかな(笑)おかげで、社員との関係づくりにも役立ち、一体感も生まれてきました」。会社を支えてくれている社員と一歩ずつ一緒に進んでいこうとする経営者の熱く優しい思いが伺えました。

海外事業グループとしての挑戦。

その後、更なる事業展開のため、2018年10月にジャパンクリエイトの海外事業部と合併。数ヵ月経ちましたが、社内の様子はどうでしょうか。

「しっかりと自分の仕事を全うしてくれています。合併したことにより仕事の幅も広がりました。私の役割は、社員とコミュニケーションを密に取りながら、働きやすい環境を作っていくことですね」。

一方、尾﨑事業部長はマネジメント業務に加えて、海外事業部としてベトナムの『ホーチミン市校工科大学』の理系学生を、日本の企業に紹介するための活動にも取り組んでいます。「受入れ先を訪問したり、入社されたスタッフの様子を見に行ったりしています。事業開始から現在60名程の紹介実績ですが、2年後には、1年間で100名の紹介マッチングの実現が目標です。また、紹介先へ訪問するうちに、就業後のフォローも必要なのではないかと考えるようになりました。例えば、日本語能力検定「N2」合格に向けて目標を設定し、勉強を一緒に行うとか。日本語の理解が深まれば業務の生産性も上がり、もっと紹介してほしいとリピートにもつながり、ベトナムの人材も日本の企業も幸せになってもらえるはずです。人材ビジネスは紹介して終わりじゃない。どの仕事も本質を探っていくことが大切だなと、最近強くそう感じています」。

いつもクールな印象の尾﨑事業部長ですが、お話をしてくださっているその目は楽しそうに輝いていました。翻訳・通訳・海外人材紹介が、これからどのような化学反応を起こしていくのか、今後の展開に注目です。